田井 遥香さん(総合政策学部3年)

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)      2024年3月21日   更新  ]

学部での学びに加えて、学部副専攻(MS)の履修と海外留学の参加で大きく成長した大学生活                                           ~ 誰もが自分らしく生きることのできる社会づくりに貢献する国際協力人材になることを目指して ~

堀 明音さん

【プロフィール】

 2021年3月に香川県立高松高等学校を卒業、同年4月関西学院大学総合政策学部に進学。
高校時代の世界史の授業で学んだパレスチナ問題がきっかけで、誰もが自分らしく生きることのできる社会づくりに貢献する国際協力人材になりたいと強く決意。総合政策学部国際政策学科で、国際関係や国際政治、国際開発を中心に学びながら、学部副専攻(MS)「 国連・外交プログラム 」も履修し、国際協力に関する学びを専門的に深めた。
海外経験や国際交流の経験は大学入学まで全くなかったものの、大学入学後に「オンライン外国語研修」、「 海外フィールドワーク 」(マレーシア)、「 国際社会貢献活動 」(カンボジア)と参加した。障がいを持つ方や女性、子ども、高齢者など、社会が支えるべき人々の選択肢を増やし、自分らしく生きることのできる社会づくりに携わることを目標に、卒業後は、福祉や教育などの社会問題の解決に取り組む日本の民間企業での就職を目指している。

1.はじめに

■なぜ関西学院大学総合政策学部への進学を決めたのですか?

 高校三年生の時、世界史の授業でパレスチナ問題を学び、国や人々の未来が奪われている現状、そして特に女性や子どもが厳しい生活を強いられている現状があることを知りました。これをきっかけに、このような人々を救うことができる国際協力人材になりたいと強く思うようになり、大学で国際協力に関する分野を専門的に学ぶことを決意しました。そして、大学に関する情報収集を進める中で、最も魅力を感じたのが関西学院大学総合政策学部でした。
進学先の選定の際、主に三つのポイントが決め手となりました。一つ目は、国際機関の役割や国際関係について学べる学部があること。二つ目は、副専攻として国連や外交について学べるカリキュラムがあること。そして三つ目は、語学留学や途上国での経験ができる国際ボランティアといった留学プログラムが豊富であること。以上の点が揃っていて、幅広く挑戦できる環境が整っている場所で自分自身も成長したいと思い、関西学院大学総合政策学部を第一志望校とし、受験勉強に励みました。

■外国への渡航経験や、国内での国際交流の経験について教えてください。

オンライン研修
     オンライン外国語研修で現地学生と
​​​​​         交流している様子

 大学に入学するまでは海外経験や国際交流の経験は全くありませんでした。大学入学後、留学には興味がありましたが、初めて
の経験に対する不安もあったため、最初は10日間の「オンライン外国語研修」に参加しました。オンラインでしたが、1日5時間
の授業に加えて、授業外でも予習や課題、プレゼンテーションの準備などで、1日に7~8時間は英語に向き合う機会がありました。その後、約2週間の「
海外フィールドワーク (*注1)(マレーシア)に参加し、開発途上国の現状を学びました。そして、約
5か月間の「
国際社会貢献活動 (*注2)(カンボジア)に参加しました。一つずつステップを踏みながら海外経験に挑戦でき
る環境があったことは、非常に安心感を与えてくれました。

(*注1)「海外フィールドワーク」は、開発途上国の現場における導入的学びのためのプログラムで、特に本学が提供している国連ユースボランティアおよび国際社会貢献活動など、将来的に中長期の国際ボランティアプログラムへの参加を検討している方向けの短期研修プログラム。担当教員による指導のもと開発途上国における、経済・歴史・教育・文化などの現状について理解を深める。
(*注2)「国際社会貢献活動」は、開発途上国でボランティア活動を行うプログラムで、教育機関、医療・環境NGO、日本人材開発センターなど、様々な派遣先がある。活動内容は広報活動、フィールド調査、エコツアーの開発・実施、学校教育の補助など多岐にわたり、派遣先のスタッフや現地の人々と共に約5ヵ月間活動する。

 

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2.所属学部・キャンパスでの学び(ホームチャレンジ)

■総合政策学部ではどんなことを中心に学びましたか?

 私が所属している総合政策学部国際政策学科では、国際関係や国際政治、国際開発を中心に学びを深めてきました。井上一郎教授のゼミに参加し、ゼミでは東アジアの国際関係や外交・安全保障問題について学びました。また、総合政策学部独自のイベントである「 リサーチ・フェア(*注3)では、ゼミのメンバーとともに米中戦争の可能性に関する研究発表を行いました。これらの経験を通じて、私の学びはさらに深まったと感じています。

総合政策学部で印象に残った授業について教えてください。


 印象に残っている授業は、英語で行われる「Intercultural Communication」です。この授業では、自文化中心的から文化相対的まで段階的に表される異文化感受性の違いや、文化や国民性の違いを定量化したホフステッド指数など、異文化理解フレームワークを幅広く学びました。この基礎知識を身につけたことで、「 海外フィールドワーク 」(マレーシア)や国際社会貢献活動 」(カンボジア)に参加中、現地の人々と関わる際にも柔軟な対応と理解ができたと感じています。
     「海外フィールドワーク」にて
   マレーシアの孤児院を訪問した時の様子














自分自身の人生、キャリアに影響を与えてくれた先生について教えてください。  国連・外交プログラム(*注4)の最初のメンター教員である村田俊一教授(当時総合政策学部)です。留学や論文執筆、キャリアなどについて幅広く相談にのっていただきました。私は何か課題に直面したり、選択の岐路に立たされたりした時に先生にアポイントを取っていたのですが、ある時「相談すれば何とかなると思っていない?あなたの意見や真意をしっかりと伝えてほしい」と言われたことは、私の中でとても印象に残っています。この言葉をきっかけに、これまで私が私自身のことを理解しているつもりでいたことに気づかされました。その経験から、自分の意見や思考の解像度を高め、それを言語化する意識を持つようになり、現在は自分の考えをはっきりと伝えることができるようになったと感じています。村田先生が私のメンター教員でなくなった後も、先生が親身に話を聞いてくださったこと、心から感謝しています。

(*注3)「 リサーチ・フェア 」は、総合政策学部が毎年開催する、大学生・院生が日頃の研究成果を発表し、研究活動を通して相互に交流しあう「知の祭典」。 発表形式は口頭発表やポスター発表など多岐にわたり、関西学院大学の学生たちに加え、高校生等も参加する。
(*注4)「 国連・外交プログラム 」は、将来、国連・国際機関や外交官として世界の公共の場で活躍するリーダーを養成することを目的とした学部の複数分野専攻制(MS)特別プログラム。学部での学びに加えて、国連・外交について体系的に学び、所定単位を修得した学生には卒業時に修了証書が授与される。同プログラムは国連や外交官としての経験が豊富な教員で構成されており、担当教員による学生へのコーチングや、授業における国連・外交の知識習得、さらには国連ユースボランティア等への挑戦を通じて、実践的に学ぶことで国際的なセンスを自然に身につける学生を育てる。

3. 国際社会貢献活動 (アウェイチャレンジ:インターナショナル)

■なぜ「 国際社会貢献活動 」への参加を決めたのですか?

 「 国際社会貢献活動 」への参加を決めた理由は、途上国という厳しい環境下で、異なる背景を持つ人々と共に現地の課題解決に取り組みたいと考えたからです。私は高校の世界史の授業での学びをきっかけに国際協力に興味を持つようになり、さらに「 国連・外交プログラム 」での学びを通じて、「現地で直接活動を行いたい、草の根レベルの国際協力に関与したい」と思うようになりました。現地での学びを吸収し、派遣先の人々との交流や異なる環境・価値観の中で働く経験をすることで、自分自身と向き合いたい、この強い思いから「 国際社会貢献活動 」への参加を決めました。一度は選考で落ちてしまいましたが、諦めずに準備を重ね、再度挑戦したことが良かったと心から感じています。

■現地で取り組んだこと、そしてどんな学びがあったか教えてください。

 「 国際社会貢献活動 」に参加した私は、国際医療NGOジャパンハートがカンボジアで運営するジャパンハートこども医療センターで活動しました。主な活動内容は広報業務、ボランティアの受入、入院中の小児がん患者の支援で、具体的には、現地で出会ったJICA海外協力隊の方とオンラインイベントを開催したり、カンボジアのアート団体の方に小児がん患者向けのアートワークショップを実施していただいたりしました
現地での学びは数えきれないほどありましたが、その中でも自分自身の価値観に大きな影響を与えた学びが二つあります。一つ目は、目的意識を持って物事に取り組むことの重要性についてです。物事が上手く進まない時や挫折しそうになる時でも、自分が何のために活動しているのかという活動の目的を明確にできたことは、活動をより充実させることに繋がったと感じています。5か月間を通して、目的や目標を明確に設定し、物事に取り組むことの重要性を再確認することができました。二つ目は、自分らしく生きることの大切さについてです。私は現地で活動する中で、自らの軸を持ち、やりたいことに真っ直ぐに取り組む多くの日本人に出会うことができました。一人ひとりが唯一無二のキャリアを築きながら、まさに自分らしい生き方を貫く姿は素晴らしく、心の底からかっこいいと思える方々に出会えたことは大きな財産だと感じています。あらためて、私自身もいつまでも挑戦やワクワクを忘れない生き方をしていきたいと思うきっかけにもなりました。
また、派遣生が受ける「国際社会貢献活動課題研究」という授業では、カンボジアでの経験や自分のこれまでの人生を振り返り、得た学びを活かしてこれからの人生をどのように歩んでいくのかを考えることで、自分自身と真剣に向き合う時間をつくることができたと感じています。このプログラムに参加して経験したことや学んだことは、私の人生で最も大きなターニングポイントとなりました。

■プログラムを通じて最も苦労したこと、そしてそれをどのように乗り越えたかについて教えてください。

 最も苦労したというよりも、辛かった経験として、カンボジアを訪れて最初に親しくなった小児がんの女の子が亡くなったことが挙げられます。小児がんの生存率は先進国では約80%ですが、この病院では約50%で、2人に1人が亡くなるのが現状です。実際に私も、元気になって退院した子ども6人と、家で看取られることになった子ども6人に出会いました。その彼女の死に直面したとき、最初に頭に浮かんだのは、「彼女が病院で過ごす間、どれだけ楽しい瞬間を感じることができたのだろうか」ということでした。約1年から1年半の長期入院生活を送りながら、付き添い以外の大好きな家族に会えず、外で遊ぶこともできない状況に置かれている子どもたち。彼女の死をきっかけに、今まで以上に子どもたちが視野を広げることのできる機会やワクワクする時間を増やすことを目指し、小児がんの子どもたちの支援に力を注ぐようになりました。物理的な医療活動はできないとしても、非医療従事者として「心を救う医療」に関与することは可能で、その強い思いを持って活動を続けました。

  支援をいただいている企業のご協力により実現した夏祭り
小児がん病棟
 小児がん病棟での様子

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4. 国連・外交プログラム (アウェイチャレンジ:副専攻)

                          ■なぜ学部副専攻「国連・外交プログラム」の履修を決めたのですか?

カンボジア滞在時の堀さん
国連・外交プログラム5期生のメンバー

 私が学部副専攻(MS)「 国連・外交プログラム 」の履修を決めたきっかけは、国連のような世界の社会問題に取り組む国際機関に関心があったからです。国際協力に興味を持った当初、私には「国際協力=国連」というイメージしかありませんでした。そのため、国連・外交の分野に特化した学びを追求できるこのプログラムに大きな関心を持ちました。また、プログラム履修者だけが受講可能な科目があること、メンター制度(履修者1人につき教員1名がメンターとしてサポートしてくれる)があることも、非常に魅力的でした。同じ分野に興味・関心を持つ他の学部生と学びを深め、大学生活の計画や将来のキャリアについて先生と一緒に考えることができる環境を求めて、同プログラムの履修を決めました。

■プログラムを通してどんな学びがありましたか?

 「 国連・外交プログラム 」を履修している学生は、高校時代にグローバルな経験・学びを積んだ人や、積極的に意見を述べてディスカッションを行う人が多く、最初のオリエンテーションや授業では非常に圧倒されたという記憶が今でも鮮明に残っています。しかし、そうした学生とともに学ぶ授業はとても濃密で、特に国連が実際に対応した紛争問題のケーススタディや日本の安全保障に関するプレゼンテーションでは、他のどの授業よりもエネルギーを投入して学びを追求しました。本プログラムを通じて、恐れずに意見を発信することや、常に多角的な視点から物事を見る習慣を身につけることができました。これらのスキルは、学部内外の授業や海外留学、今後社会に出てからも非常に役立つと感じています。

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5.卒業後の進路・今後の目標

 私の人生の軸は、障がいを持つ方や女性、子ども、高齢者など、社会が支えるべき人々の選択肢を増やし、自分らしく生きることのできる社会づくりに携わることです。この軸に向き合う一つの手段として、私は、福祉や教育などの社会問題の解決に取り組む日本の民間企業での就職を選択したいと考えています。海外や途上国への興味は変わらずありますが、帰国後にカンボジアと日本を比較する機会が多くあった中で、日本が抱える社会問題を軽視してきたことを痛感し、現在はこのような考え方・選択に至りました。具体的にどのような方向性から関わり、今後のキャリアをどのように築いていくのかはまだ明確には決まっていませんが、常に自分自身と向き合いながら、私らしいキャリアを歩んでいきたいと思っています。

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6.後輩へのメッセージ ~さいごに~

堀 明音さん
田井 遥香さん

 

   これから様々な挑戦をしていく皆さんに、私が一番伝えたいことは「何となく生きる人間になってほしくはない」ということです。高校までは敷かれたレールの上を歩くことができますが、大学からは選択肢の幅が一気に広がり、自分自身で選択をする機会が非常に多くなります。そのため、自分自身の意思がないと、自由さゆえに「なんとなく」の選択もできてしまうのが現状です。それは大学で何をしているのか等を見失うことにも繋がりかねません。そのため、選択が必要な状況の中で、「何のためにその選択をするのか、それを選択することで自分はどうありたいのか」を自分自身と向き合い、考えてほしいと強く思います。

 自分の軸となるものを形成することは簡単なことではありません。実際、今、私が人生を通して大切にしたいと思っている軸も、高校から大学にかけて様々な経験をすることで少しずつ形成されたもので、最初からはっきりと確立されていたわけではありません。一歩ずつ進みながら、でもがむしゃらに様々な挑戦・経験をしていく中で確実に解像度が上がっていったものであると感じています。 
私はこの様々な挑戦・経験をできる環境は関学の至る所に散らばっていると思います。自分から取りに行きさえすれば、その後の可能性は無限大です。きっかけ一つで大きく変わりうる人生。だからこそ、何となく過ごす大学生活ではなく、自分と向き合って、行動して、たくさんの成長が得られた大学生活だったと胸を張って言えるようになってほしいです!

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