佐田 裕樹さん(経済学部4年)

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)       2024年3月21日   更新  ]

自分自身のキャパシティーを超えることに果敢にチャレンジし、大きく成長した4年間                        ~ 交換留学と国際共修で培った語学力とコミュニケーション能力の大切さ ~

潮 華音さん

【プロフィール】

 

 2020年3月に西宮香風高等学校を卒業後、同4月に関西学院大学経済学部に進学。
様々な背景をもった在留外国人の市民生活を支援する市役所職員になることに憧れ、大学入学後は経済学以外の分野についても幅広く勉強し、また語学力向上にも精力的に取り組んだ。
大学入学後、オーストラリアへの交換留学やクロス・カルチュラル・カレッジ(CCC)の国際共修プログラムに参加し、入学前に英検2級、TOEIC 670だった英語力を、英検1級、TOEIC 955、IELTS 7.0を取得するまで飛躍的に向上させた。また英語だけでなく、中国語にも積極的に挑戦し、中国語能力試験(HSK) 5級に合格。

 卒業後は、関西学院大学経営戦略研究科グローバル経営コースに進学予定。将来は、日本企業の海外進出や、日本の労働市場の国際化など、日本と外国の架け橋となるようなキャリアに就くことを目指している。

1.はじめに

■なぜ関西学院大学経済学部への進学を決めたのですか?

 私が関西学院大学経済学部への進学を決めた理由は、高校生の当時に思い描いていたキャリアビジョンと経済学部での学びの内容がマッチしていたからです。
高校生当時、私は国際的な市役所職員として、在留外国人の方々を最前線でサポートするというキャリアビジョンを抱いていました。志していた理由としては、高校での経験が大きかったように思います。私が通っていた高校は定時制ということもあり、様々な事情を抱えた生徒が通っていました。同級生たちとの交流や会話をする中で、そういった様々な悩み事や事情を抱えた人たちを支援することに興味をもち始め、市役所公務員という職業が私の頭に浮かびました。そしてある日、たまたま目にした「在日外国人の数が近年著しく増加している」という新聞記事を読んだことで、日本に住む外国人の方々に対しても親身になって支援ができるような語学力や異文化理解力を兼ね備えた市役所職員になりたいとより明確なキャリアビジョンを持つようになりました。
 そのような能力や資質を身につけることを目指し、留学に対する全面的な支援制度が充実しており、かつ公務員になるための必要な学びができる関西学院大学経済学部への進学を決めました。
 

外国への渡航経験や、国内での国際交流の経験について教えてください。
 高校生の頃、姉からの紹介で、国立台湾師範大学(台湾)の中国語を学ぶサマーキャンプに約1か月参加しました。姉自身も大学生の時に同大学に交換留学をした経験があり、留学中に様々な学びを経て大きく成長できたことから、私に参加を促してくれました。
 プログラムの内容としては、午前に集中して中国語の授業を受け、午後には文化交流や台湾観光をするというものでした。12人の参加者のうち日本人は私を含めて3人のみで、その他はマカオ、オランダ、アメリカなど多種多様な人たちがおり、国際交流を経験することができました。

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2.所属学部・キャンパスでの学び(ホームチャレンジ)

■経済学部ではどんなことを中心に学びましたか?経済学部で、最も印象に残った授業について教えてください。

 経済学部では、国際金融、ヨーロッパやアジアの経済など、グローバル経済を中心に学びました。藤井英次教授のゼミに入ってからは、統計分析の手法を用いて現実世界で起こっている事象の分析に取り組んでいました。
 一番印象に残っているのは、ゼミの担当教員でもある藤井英次教授の「国際金融論」という授業です。この授業では為替レートの増減の仕組み等に関する国際金融について学びました。授業では、国際金融に関する知識について、「その本質は何なのか」、「それは何を意味するのか」などについて簡潔に説明することが求められました。私は毎回の授業で、頭をフル回転させて出席し、授業後にはいつもヘトヘトになっていたことが印象に残っています。
 この授業を通して、国際金融に関する知識はもちろんのこと、「考える力」を養うことができたように思います。スマートフォンさえあれば莫大な量の情報を誰でも簡単に入手できる現代において、真に求められている能力はその情報をうまく処理・利用できる力、すなわち、この「考える力」なのではないかと感じています。
 

■経済学部以外(全学科目等)の科目で印象に残った授業について教えてください。


 国際学部の「Introduction to International relations」という授業です。この授業では、国際経済・政治においてどのような概念があるのか、何が国際関係を悪化させるのかなど、国際関係学に関する導入的な内容について学びました。私自身にとっては初めて勉強するジャンルであり、また授業時間のほとんどが英語でのディスカッションだったため、知識量と英語力の両方の面で苦労したことを覚えています。授業を乗り越えるため、ディスカッションで使えそうな英単語をあらかじめメモしたり意味を調べたり、ディスカッションで使えそうな論拠を予習しておくなどの対策を講じました。この授業を留学前に受けたことで、留学先での授業のイメージを掴むことができたと感じています。
 

■自分自身の人生、キャリアに影響を与えてくれた先生について教えてください。  

 私が経済学部で参加していたゼミの藤井英次教授です。藤井ゼミの教訓の1つとして「Cool heads but warm hearts」というものがあります。藤井先生はまさしくこれを体現されており、常に冷静で合理的であろうとする一方で、学生のためであれば厳しく叱ってくださるような本当の意味で優しい先生でした。「本当に成長したいのであれば辛く苦しいことをしなければならない。届きそうで届かないという状況を何度も何度も経験してこそ、今よりも高いレベルに行くことができる」と、当時2年生だった私に先生はアドバイスしてくれました。その言葉をきっかけに、私は自身のキャパシティーを超えるようなことにも果敢に挑戦することができるようになりました。
また、藤井先生に出会う以前は知識や情報をただ覚えるものとして私は捉えていました。しかし、先生のもとで学んでいく中で、知識や情報の核心や本質について深く考えるようになり、論理的思考力を涵養することができたと感じています。

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3. 交換留学 *1(アウェイチャレンジ:インターナショナルプログラム①)

■なぜ「 交換留学 」への参加を決めたのですか?

朝来・竹田城下町活性化PJ参加者の皆と一緒に
留学先のクラスメイトたち

 私が 交換留学 への参加を決めたのは、将来のキャリアビジョンを実現させるため、語学力や人とのコミュニケーション能力を磨く必要があると考えたからでした。私は関西学院大学での様々な学びや活動を通して、直接的に海外に携わる仕事に対する憧れが強くなる一方で、3年生になった時点で、現在の語学力やコミュニケーション能力ではその目標達成は難しいと感じていました。そのような自身の現状と目標のギャップを少しでも埋めるため、4年生の最後の1年間に交換留学に挑戦することで、さらなるスキルアップを目指すことを決意しました。

現地で取り組んだこと、そしてどんな学びがあったか教えてください。

 私は、オーストラリアのウーロンゴン大学に留学しました。同大学がビジネスの分野で名高いと伺ったことから、私は留学先に選定しました。通常は、日本の大学で学んでいる専攻に関連する授業を受けることが一般的ですが、私はより幅広い知識を獲得したいことから、ビジネスやプログラミングに関する授業に加え、中国語の授業も履修しました。
 留学が始まったばかりのころは、授業の中や友人との会話において、自分の意見を述べることに対して躊躇いがあり、相手が言ったことに同調する表面的な付き合いをしていました。また、オーストラリアには多種多様な人たちがいて、自身の日本人的な価値観とのギャップから居心地の悪さを感じることもありました。しかし、授業でのディスカッションや、日々の友人たちとの会話や交流を繰り返すにつれ、少しずつ価値観の違いに対する受容力を身に着けることができました。特に、私が住んでいた寮には人種や宗教、経験など、あらゆる点で多種多様な人たちがいて、彼らの持つ異なる価値観や考え方に触れることで、自身の視野が大きく広がっていったように感じています。

■プログラムを通じて最も苦労したこと、そしてそれをどのように乗り越えたかについて教えてください。

現地での成果報告会にて
オーストラリアの先住民の方たちと

 私が留学中に最も苦労したことは、コミュニケーションでした。英語力が足りなかったのはもちろんのこと、一般的なコミュニケーション能力それ自体においても、オーストラリアの学生たちに圧倒されてしまい、気が付けば聞き役に徹してしまっていたということがありました。
 そのような点を克服するために私が取り組んだことは、誰かと会話している時は可能な限り一言でも多く言葉を発する、授業であれば事前予習を徹底したうえで授業の中で発言する内容を増やすということでした。
結果として、私は単に英語力を大きく伸ばすことができただけでなく、誰とでもすぐに打ち解けられるようなコミュニケーション能力や物怖じしない度胸も身に着けることができました。自分の意見を躊躇わず伝えることになったことで他人と衝突することもありましたが、今ではそれらを乗り越える過程において人間的な面でも成長することができたように感じています。
 

(注1)「 交換留学 」は、本学に在学しながら休学することなく協定大学へ1学期間または2学期間(1年)留学できる制度。その目的は大きく分けて2つあり、①専門知識や興味ある学問に関する知識を海外の大学で深めること、②異なる文化や価値観に接し、その社会や人々の理解を深めると同時に自己や自国を再認識すること。

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4. CCC Global Career Seminar in Canada *2(アウェイチャレンジ: インターナショナルプログラム②)

■なぜ「 CCC Global Career Seminar in Canada 」への参加を決めたのですか?
 

 私が英語の勉強を本格的に始めて半年が経った頃、単に英語を学ぶのではなく、英語をツールとして使って何かに取り組みたいと考えるようになりました。そんな時、大学からのお知らせを通じて、国際教育・協力センター(CIEC)が提供する「 CCC Global Career Seminar in Canada 」というプログラムを知りました。

■現地で取り組んだこと、そしてどんな学びがあったか教えてください。

 当該プログラムは、カナダの大学生たちとグループをつくり、企業から提示される課題に対してその解決策を考えて提案するというプログラムでした。実際のグループでの話し合いと発表の期間わずか3日間程度と短いものでしたが、それまでのおよそ2ヶ月間、ビジネスや異文化理解の基本についてオンデマンドで学ぶ講義がありました。
私のグループは、Japan Foundationという日本文化を世界に広める活動を行っている機関から提示された課題に取り組みました。与えられた課題は、同機関が抱える知名度の低さという問題をどのようにすれば改善できるかという内容でした。これを踏まえて、私たちのグループでは、同機関が現在どのような広報活動を行っているのか、どのような広告が効果的なのか、他機関の広報戦略に関する成功例はどんなものがあるか、などについて調査しました。調査の結果、同機関ではSNSを活用した広報戦略が上手く機能しておらず、その大きな要因として広報として用いる動画の再生時間が長すぎるという結論に至りました。その結論をもとに、私たちのグループではYouTube ShortsやInstagram Reels、TikTokなどを活用したショートビデオによる新たな広報戦略を提案しました。

 グループワークはビジネスに関連する内容がメインだったため、ビジネス用語やその概念など、経済学部でこれまで学んでいなかった新しい学びを得ることができました。私が参加した年はオンラインでの実施だったため、カナダに渡航して実施する場合と比べるとできることに制限はありました。しかし、Web会議上で上手にコミュニケーションを取る方法など、オンラインだからこそ学べたことも多々ありました。また、同じグループのカナダの学生たちはどの学生もみな優秀で、とても刺激を受けることもできました。
 

■プログラムを通じて最も苦労したこと、そしてそれをどのように乗り越えたかについて教えてください。

 私が最も苦労したことは英語力不足による意思疎通の問題でした。プログラムで要求される英語レベルが高く、当時の自身の英語力ではディスカッションで話し合われている内容を理解するだけで精いっぱいで、せっかく良いアイデアが脳裏に浮かんでいても上手く伝えることができませんでした。その対策として私が取り組んだことは、ディスカッションの最中に聞き取ることができなかった単語や表現はそのままにせずに都度聞き返しました。また、提案したいアイデアがあれば、あらかじめ手元で伝えたい内容を文字で書き起こしておき、それを伝えるなど工夫しました。

■なぜ「 Certificate Program(CP) *3」に挑戦しようと思いましたか?参加して得られたものはありますか?   

 今後進む道の一つとして大学院進学を考えていた際、CCCの「 Certificate Program (CP) 」修了者が申し込むことができる特別な奨学金(グローバルリーダー育成「海外大学院派遣奨学金」)があることを知りました。当該奨学金は、海外大学院に進学する関学生を対象としたもので、今後自分自身が海外の大学院に進学したいと思うかもしれないと思い、選択肢の可能性を広げるためにCPに挑戦することを決めました。CPに挑戦することは容易ではありませんでしたが、在学中の履修計画や課題など様々なタスクをマネージメントしたことで、上手なタスク管理能力を身に着けることができたように思います。また、CPに挑戦する中で受けた授業は英語で開講されており、また取り扱うトピックも様々であったため、交換留学に参加する前の準備としても、英語で幅広い分野について学ぶことができたことはよかったと感じています。

■今後、CCCの CPに挑戦する学生に向けて何かアドバイスなどはありますか?

 CCC の「 Certificate Program(CP) 」は英語力や取得単位数の多さなどでチャレンジングに感じるかもしれませんが、それを乗り越え、修了したときにはさらに一回り成長した自分に出会えると思います。今後留学を考えている人、学内で英語力を身に着けたい人は、ぜひチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
 英語学習に関するコツやアドバイスには色々なものがありますが、これから英語を頑張りたいという人にとっては「単語力を鍛える」ことが最もハードルが低く、効果的な勉強方法だと私は考えています。自身の経験上、英語が聞き取れない・読み取れない理由のほとんどは単語が分からないからで、逆に単語の意味さえ知っていれば体感的に言いたいことの7割程度は伝えることができるのではないかと感じています。私も英語学習の過程において、主に単語帳を使っていました。単語帳が苦手な方は、例えば日本のアニメやドラマに英語字幕を付けて音声と照らし合わせる、英語学習系のSNSアカウントをチェックするなどの学習方法も効果的ではないかと思います。幸い関学生、特にCPへの挑戦を考えている皆さんであれば、今後英語を実際に話す機会もたくさんあるはずです。そのような状況になったときに、自分の話の引き出しを増やせるよう、今のうちから少しずつ単語学習を進めてみてはどうでしょうか。
 履修登録という点に関しては、CP科目を無理なく少しずつ履修していくのがコツだと思います。特に1、2年生の方であれば、まずは学部で履修しなければならない必修科目を中心に専門科目の履修を進め、余裕があればCP科目を追加していくというやり方もできると思います。必修科目には様々なトピックがあるため、きちんとシラバスをしっかりと確認し、自身が学びたい内容の授業を履修することが重要です。


(注2)「 CCC Global Career Seminar in Canada 」は、日加の学生混成のグループを組み、企業・団体等から与えられる課題について解決策を立案するプログラム。プログラム前半では、企業・団体等の事業に精通し、第一線で活躍している方々から直接情報収集を行う。その後、グループ内で解決策を導き出し、最終的にその方々に対してプレゼンテーションを行い、講評を得る。普段なかなか会うことのできない企業・団体等の方の考えに触れることにより、ビジネスならではの視点を学びつつ、多国籍な場での合意形成を体感する。
(注3)「 Certificate Program(CP) 」は、関学生とカナダの学生を対象に提供する「修了証プログラム」で、両国の学生が協力して、企業等から与えられるビジネス課題に対する解決策を立案する実践的な共修科目を中心に、多文化共生論や国際関係論等を学ぶ。使用言語は全て英語で、所定の16単位とTOEIC®820点相当以上の英語能力を修得した学生に、日加5大学が運営するCCCから修了証書とオープンバッジ(デジタル証明)を授与する。

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5.卒業後の進路・今後の目標

 卒業後、私は関西学院大学の経営戦略研究科グローバル経営コースに進学する予定です。大学院修了後は、日本企業の海外進出や、日本の労働市場の国際化など、日本と外国の架け橋となるような仕事をしたいと考えており、そのために必要となるビジネス知識やノウハウを大学院でより専門的に学びたいと考えています。                                                   

                                                                                                         

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6.後輩へのメッセージ ~さいごに~

潮 華音さん
佐田 裕樹さん

 

 関西学院大学での4年間を終えて、一番に思うのは「あっという間だったなぁ」ということです。今後、関西学院大学に入学するみなさんにアドバイスするとすれば、「今からでも夢や目標に向かって全力疾走する」ということです。

 大学の4年間という時間は、ただ無為に過ごすには長いのですが、「何かに取り組む」には短いものです。幸い、関西学院大学には様々なチャンスが溢れています。関西学院大学で過ごすことができる時間を大切にしならが、その一つひとつの目の前のチャンスに、ぜひ果敢に挑戦してみてください。皆さんならきっと大丈夫!
 

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