江崎 貴久さん(2019年人間福祉学部卒)

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)       2019年3月28日   更新  ]

~ フィールドに出て人との関わりを通して学びを深めた4年間 ~

江崎 貴久さん

【プロフィール】

 2015年福岡県の上智福岡高等学校を卒業。中学、高校時代に、ホームレスへの炊き出しなど支援ボランティアの課外活動に積極的に参加したことで、フィールドワークに関心を持つ。

 関西学院大学人間福祉学部では「いのち」について学べることを知り、2015年4月、人間福祉学部人間科学科に入学。在学中は積極的にハンズオン・ラーニング・プログラムに参加。課外活動では、兵庫県学生献血推進協議会の会長、関学フットサークルの会長、インターカレッジのサッカー観戦サークル副会長などを歴任。

 複数のハンズオン・ラーニングプログラムに参加し「ダブルチャレンジ」を修了し、2019年3月に卒業。卒業後は日本赤十字社で勤務予定。

1.所属学部での学び(ホームチャレンジ)

生きるとは何か、フィールドに出たからこそ知った社会問題の根深さ

■人間福祉学部ではどんなことを中心に学びましたか?

人間福祉学部人間科学科の学びは、入学前の期待をはるかに超えるものでした。死生学の藤井美和教授のゼミに所属し、いのちや生きる事、人生について学び、考えを深めました。人間科学科での学びは自分ひとりで学べるものではなく、グループワーク等を通して、クラスメートの異なる考え方や価値観に触れることで、さらに学びが深まったと感じました。

■人間福祉学部で印象に残った授業について教えてください。

「人間科学フィールドワーク」です。4年生の夏から90時間、ホームレスや生活困窮者への就労・生活支援、ホームレス化の予防事業を行っている大阪市北区の支援団体でインターンとして活動を行いました。

 梅田の繁華街で夜回りを行って弁当を配布したり、コンビニエンスストアを一件ずつ回り、支援を必要としている方に向けたポスター広告掲載の依頼を行ったりしました。そういった活動を通じて、自分とほぼ同世代の若者が、貧困、失業によりホームレス化しているということに直面し、社会問題の根深さを痛感しました。同時に、現在の社会構造の中では自分にも起きうることであり、決して他人事ではないと強く感じました。

▲このページの目次へ戻る

2.広島・江田島平和フィールドワーク(アウェイチャレンジ:ハンズオン)

ヒアリングを通して「ヒロシマのいま」を探り、平和への理解を深める

■どんなハンズオン・ラーニングプログラムに参加しましたか?

広島・江田島FW参加の後輩たちと一緒に(後列左から2人目が江崎さん)

広島・江田島FW参加の後輩たちと一緒に(後列左から2人目が江崎さん)

初めてのハンズオン・ラーニングプログラム(注*1)は、2年生の8月に受講した「平和学特別演習『ヒロシマ』」(注*2) でした。これは、広島女学院大学との連携で提供されるプログラムで、8月6日前後の数日間、広島市内をフィールドに、二大学混成のグループでインタビュー調査とディスカッションを行うというものでした。私たちのグループは、「平和教育」をテーマに、広島を訪れる多様な国籍の人たちにインタビューを行いました。平和を学ぶきっかけは国や文化によって、人それぞれであり、平和の重要性について深く学ぶことができました。
 
 さらに、2年生の2月には、 ハンズオン・ラーニングセンター が提供する「社会探究実習Ⅰ(広島・江田島平和FW)」、3年生の2月には「社会探求実習Ⅱ(広島・江田島平和FW)」に参加し、広島と呉に関わりを持つ江田島に暮らす人びとへのヒアリング調査、呉三津田高校2年生の生徒たちとのディスカッションなどを行い、「ヒロシマのいま」を過去と周辺(江田島、呉)から探究することで、平和への理解を深めました。
 
 ヒアリングでは、戦争を体験したご老人の方々から当時の体験を生で聞くことができました。当時いた場所も、年齢も異なる人々が、一つの事象について様々な視点から見て感じた体験談を聞くことができ、フィールドワークの面白さを実感しました。また、異なる場所で異なる人から聞いた話が、実は繋がっていたということもあり、それに気づいた時は感激を覚えました。
 

ハンズオン・ラーニングセンター 木本浩一教授

ハンズオン・ラーニングセンター 木本浩一教授

【ハンズオン・ラーニングセンター教員からのメッセージ】

 「大きなヤツだな」が、江崎さんの第一印象でした。身長が高いということもありますが、「いのち」や「平和」を熱く語る様子に、彼の「大きさ」を感じました。

 ハンズオン・ラーニングには、とにかくやってみる(=触れてみる)という面と、“触れ続ける”ことによって学びを深めていくという面があります。彼にとって、“触れてみる”ことは経験済みでしたが、この授業では、現場で徹底的に考え、理解することを学んだようです。

 ハンズオン・ラーニングセンターでは、「キャンパスを出て、社会に学ぶ」をキーワードに、多彩な科目を提供しています。私たちは、学校や会社、家族など様々な社会の中に身を置いている“社会人”です。社会人である自分が、社会に“何を”学ぶのか。社会に触れる中でしか得られない経験や学びを、ぜひ味わってみてください。

(*注1)ハンズオン・ラーニングプログラムとは、「キャンパスを出て、実社会を学ぶ」をキーコンセプトに、企業や地域、行政、NPO・NGO等と連携し、主に①課題解決・企画提案型プロジェクト、②インターンシップ、③フィールドワークを中心とした実践型の体験学習プログラム。ハンズオン・ラーニングプログラムの参加を通して、「社会の課題に自ら向き合う学修姿勢・思考力・行動力」を修得することを目指す。 詳細は、 ハンズオン・ラーニングセンター のHP参照。

(*注2)「平和学特別演習『ヒロシマ』」は2016年度までは共通教育センターが、2017年度よりハンズオン・ラーニングセンターが提供している。

▲このページの目次へ戻る

3.卒業後の目標と今後の夢

どんな状況にいても人を助けることができる人間に

■卒業後の進路、そして今後の夢について教えてください。

献血推進ボランティア中の江崎さん

献血推進ボランティア中の江崎さん

課外活動として在学中に積極的に取り組んでいた献血推進の経験を活かし、卒業後は日本赤十字社に就職します。

 関学在学中に経験したハンズオン・ラーニングプログラムやフィールドワーク、学部での学びを礎に、自分がどんな状況に置かれていても、人を助ける事が出来る人間になれる様、精進していきたいと考えています。

▲このページの目次へ戻る

4.後輩へのメッセージ ~さいごに~

教室から飛び出して、実社会で学んでみよう!

■関学の後輩、そして今後関学への進学を志す高校生に向けてメッセージをお願いします。

江崎 貴久さん

江崎 貴久さん

私自身、高校3年の秋まで関学に進学することを考えていませんでした。しかし、大学を卒業した現在、高校の担任の先生の勧めで関学人間福祉学部に進学を決断し、この大学で4年間様々な事にチャレンジし、学びを深められた事を心から誇りに思っています。

 教室での学びだけが全てではない、町のそこら辺を歩くだけでも学びの素材はたくさん散りばめられています。その見つけ方のヒントを与えてくれるのがハンズオン・ラーニングプログラムだと私は考えています。学びの幅を広げてくれた関学。そこで出会った方々には感謝しかありません。たくさんの学びを可能にしてくれたのは関学の教職員の皆さんの手厚いサポートがあったからだと思います。

 将来が漠然と見えない人、関学なら大丈夫。きっと、関学で将来を、夢を見つけることができると思います。これから関学生として一歩を踏み出すあなたの大学生活を、私も応援しています。

▲このページの目次へ戻る